二月小世界集成

ここから何か拾い上げることが出来るなら、ぼくも少しは浮かばれます

永遠の書き出し少年

突然だが、僕は一時期小説家になりたいと熱望した時期がある。
まあ誰しもそう行った流行病にも似た痛々しい夢を罹患してしまうことがあるとは思う。で、その顛末はどうだったかといえば、あいも変わらずにアマチュアバンドマンを続ける日々である。生み出したのは、起承転結の承にも辿り着かなかった書き出しの山だ。書き出しだけを集めて一〇〇万字いくんじゃないかとも思う。

もちろんそんなものに意味はないし、一円にもなりはしない。
それでも文章を書いているうちはとても楽しいものだ。なんなら、小説を書く楽しみは書き出しだけで八割あるんじゃないかとさえ思ってしまう。
形になりきらない、予感だけのものがどれほど楽しく、時に美しいものか。

音楽でもそういうことをやってみたいと思った。
善は急げで、まずフォーマットを決めて定期的に出力できるものにしようとした。
五秒考えた末に32小節、大体4小節でコード一回しとして、8回し分。曲の展開ひとつ分くらいが当てはまる長さに決めた。
架空の曲の断片、或いはイントロということで、色々想像したりして楽しんでほしい。最初はまあこんな感じだけど、だんだん上手になっていきたい。で、時々会心の一本が出せればいいかな、と思っている。

一応、他にも理由はあって、ガジェット好きだからたくさん買い込んだエフェクターや機材、改造したギターなどを年一のライブだけ使うってのは勿体無いなと思い、どうにかアウトプットするものを用意したかったのだ。
あとは、僕のやる音楽に少しでも興味を持ってくれたらと思う。この肩の力の抜けたものを通じて、自分のやってるバンドに、である。
今やっているバンドは以下。
・海の温度 (リモート活動)
・Galatea2.0 (札幌でライブ)
・屈辱と春 (札幌・旭川でライブ予定)

ちなみに、計画名というか、活動名のLexicon Tasksは今朝夢の中で思いついた。意外と気に入っている。
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